カーボンブラック回収用密閉フィルターシステム

カーボンブラック回収用密閉フィルターシステム

英国の顧客の背景を一つ紹介します

次のような問い合わせがありました。
FEED 調査に先立ち、当社の R&D 炉施設に約 1/5 規模のカーボンブラック生成システムのプロトタイプを構築することを提案しています。

現在、プロトタイプの実装計画を作成中です。

このため、寸法などが記載された前回の見積と同様の見積が必要となります。

以下は、お客様のフォーマットを使用して修正された仕様です。

プロセスガス/ダストデータ

ガス圧力（kPa）：90 kPa

粉塵濃度（g/Nm³）：224.7

粒子サイズ分布（例：d50 / 範囲）：約100ナノメートル

嵩密度（kg/m³）：250 kg/m³

粘着性/固まりやすさ（はい/いいえ; 注記）: はい

粉塵爆発性（ATEXクラス、Kst/Pmax（既知の場合））：ATEXゾーン0

必要な排出限度（mg/Nm³）：大気に対して密閉されている

機器の状態

構造材料（例：CS、SS304/316）：SS304

動作モード（連続/断続）: 連続

洗浄方式（パルスジェット／リバースジェット等）：パルスジェット＋振動

廃熱回収は必要ですか? (はい/いいえ): はい

カーボンブラック生成システムを専門とする大手研究開発会社が、プロトタイプ開発のPre-FEED（初期設定）段階で当社にご相談に来られました。クライアントは、自社の研究開発炉内に1/5スケールのカーボンブラック生成システムを構築し、プロセス全体をシミュレートして、実際の運転条件下でのガス-固体分離性能を評価する計画でした。

このプロセスでは、カーボンブラックと水素ガスの混合物を約190℃ 、 90 kPaで排出し、カーボンブラックの生産量は42.5 kg/hでした。99 %の水素が存在するため、 ATEXゾーン0の安全基準を満たす必要があり、完全密閉型で防爆型のフィルター設計が求められました。

課題

凝集して固まる傾向が強い超微細炭素粒子(d₅₀ ≈ 100 nm)。

水素雰囲気下での高温・高圧運転。

炭素漏れがあると下流の水素回収ラインが汚染される可能性があるため、厳格な気密性要件が必要です。

連続運転（非バッチ）のため、オンラインセルフクリーニングと安定した差圧制御が必要です。

SFFILTECHソリューション

顧客の技術目標と安全目標を満たすために、 SFFILTECH エンジニアリング チームは、パルス ジェット洗浄と機械的振動の両方を統合し、完全にSS304 ステンレス鋼で構築された密閉型パルス ジェット フィルタ システムを提案しました。

主なデザインのハイライト:

帯電防止 ePTFE メンブレン フィルター バッグは、水素雰囲気下で高いろ過効率と導電性を保証します。

PTFE/Viton シールと窒素パージ ポートを備えた気密構造により、漏れのリスクを排除します。

連続パルスジェット+振動洗浄により、高ダスト負荷下でもろ過安定性を維持します。

接地システムと導電性フィルター メディアを備えたATEX ゾーン 0 準拠の設計。

モジュール式のコンパクトなボディで、パイロット規模の設置や将来のスケールアップに適しています。

安全にカーボンブラックを収集するためのエアロック バルブを備えた密閉排出ホッパー。

システムパラメータ

結果

納品された設計により、次のことが達成されました。

ナノスケールカーボンブラックの分離効率は 99.9 % 以上です。

24時間連続運転中も圧力降下は1kPa以下で安定しています。

ヘリウムリークテストによりガス漏れゼロを確認しました。

モジュラー フィルター カートリッジとクイック アクセス ポートによりメンテナンスが簡素化されます。

このプロトタイプシステムは、クライアントのフルサイズカーボンブラック工場のスケールアップのベンチマークとなり、高度なカーボンベースプロセス向けのガス密閉型高温ろ過システムを設計する SFFILTECH の能力を証明しました。

まとめ

このプロジェクトは、SFFILTECH の以下のエンジニアリング専門知識を実証しています。

水素およびナノカーボンプロセス向けにカスタマイズされた防爆ろ過システムを設計します。

図面、圧力テスト、FAT ドキュメントを含む完全な OEM サポートを提供します。

最も厳しい ATEX および環境基準を満たす、エネルギー効率が高く信頼性の高いソリューションを提供します。